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あつた蓬莱軒に行きました

明治6年に創業し140年の歴史を誇る「あつた蓬莱軒」へひつまぶしを食べに行きました。

 

鰻のひつまぶしは名古屋の発祥で、あつた蓬莱軒がその生みの親だと言われています。

 

創業当時、東海道41番目の宿場町である宮宿(熱田宿)に所在し、多くの旅人へ出前を届けていたあつた蓬莱軒。宮宿は東海道最大の宿場であり、また東海道で唯一の海路である七里の渡しで桑名宿とも結ばれていたため、多くの人と文化の合流地点として大変栄えていました。当初は瀬戸焼の器で鰻丼を配達していたところ、空の陶器が返送中に割れてしまうことがあったため木製のお櫃を使うようになりました。人数分の鰻とご飯をお櫃に詰めて届けるようになると、みんな鰻を先に取って食べるためご飯が残ってしまうこともありました。そこで鰻を短冊切りにしてご飯と混ぜたり、薬味を足したり、出汁茶漬けにしたりと、最後まで美味しく食べるための食べ方の提案をし続け、ここにひつまぶしが誕生したのです。

 

ちなみに、お櫃の使用や食べ方の工夫などの試行錯誤を繰り返された、あつた蓬莱軒の2代目店主は鈴木甚三郎さんと言うそうな。

 

愛知の鈴木は強い。

 

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美味しそうでしょう?美味しいです。

 

鰻の食べ方として、ひつまぶしのように短冊切りにするよりも、鰻丼で見られるように開いたままの形の鰻を好きなサイズで頬張りたいという人もいるようですね。ひつまぶしと鰻丼ではタレのご飯への侵略度合いも異なりそうだし、同じ材料だからといっても食べ応えや風味に違いが出るのは面白いですね。

 

さて、オーソドックスなひつまぶしの食べ方は、お櫃の中をしゃもじで十字に切り分けて4等分にしてから、1/4ずつお椀に取り分けていただきます。

 

  1. まずはそのままいただく
  2. 薬味を足していただく
  3. 薬味と出汁を足していただく
  4. 最も気に入った食べ方でいただく

 

今も昔も味変は大事ということ。

 

▶︎名古屋名物 ひつまぶし「あつた蓬莱軒」

 

ところで、名古屋にほど近い浜松でも鰻が有名ですよね。なんとなくあの辺で鰻が採れるのね〜と思っていましたが、調べてみると全く別物。愛知の鰻は三河一色産、浜松の鰻は浜名湖産で、ちゃんと双方ブランド鰻を持っているんですね。

 

三河一色の鰻は身も皮も柔らかく火入れがしやすいため、「焼き」を主流とする愛知以西での評価が高く、一方の浜名湖の鰻はふっくらしているが身の締りがよく脂も乗っているため、「蒸し」を主流とする東日本で好まれるそう。

 

ふむふむ。