壱岐リトリート海里村上というお宿に2泊します。
日本の離島で唯一のミシュラン5つ星ホテルだとか。
館内はもちろん綺麗だし、名前を憶えていて顔を見ただけで名前で声掛けいただけるほどの接客も見事、鉄分と塩分が豊富で茶褐色の源泉かけ流しのお風呂は熱々で最高、シャワーの水圧も言うことなし、お食事はどれもこれも絶品、すぐ目の前で釣りができるロケーション、そしてふかふかベッド、枕元にコンセントあり。
総合的にファビュラスなお宿です。
お部屋から湯本湾を一望できます。
鬼凧(おんだこ)が描かれた鬼焼なるお煎餅。
壱岐島に伝わる百合若大臣の鬼退治の様子を描いた凧は鬼凧と呼ばれて有名で、平成5年には長崎県の伝統工芸品に指定されたそう。
私の生まれた年だわ。
鬼ヶ島伝説については同じ日、壱岐島内の昭和橋を渡るときに知りました。
待ちに待った1泊目の夜ごはん。
いただきます。
手前の橙色のは卵黄の味噌漬け。卵アレルギーだけど100万個食べたい。死んでもいい。
小さい鉢の中は壱岐のもずく。極細でシャキシャキとした食感。酸味が強すぎない出汁とお酢が絶妙。
中央、鯛の酒盗。旨すぎて引く。
奥、「ママ泣かせ」というトマトの蜜煮。美味しくて子供が食べ過ぎるのでママ泣いちゃうよ、ということらしい。はて。瑞々しくてほとんどフルーツ。
そして最右、呉豆腐。長崎や佐賀の郷土料理で、ニガリを使って凝固させる一般的な豆腐と違い、葛や澱粉などを加えて加熱することで形成されるモチモチ豆腐。ワサビが良く効いています。
具だくさんの海鮮茶碗蒸し。
たま〜~~に謎の魚の骨が入っているけど、きっと大当たりってことで、ラ、ラ、ラッキ〜。
本マグロ、アオリイカ、クエ、アコヤガイの貝柱お刺身。
美味しいし釣りたい。
日本酒が飲みたくなってきます。
佐賀の天吹。きっと長崎のお酒をいただくべきだったけど、辛口好きなもので選り好みしてしまいました。
超辛口と書いてあるけど、スッキリしているという程度で辛すぎることはない。
▶︎天吹酒造
九州のお酒が甘めだというのは本当でした。
焼酎も捨てがたい。
飲み比べで3種をいただきました。
左から、
VERY OLD
守政 甕仕込
どれも興味深い歴史のあるお酒です。
個人的には守政が好き。口に入れた瞬間のグッとパワフルで奥行きのある高度数ならではの焼酎の味わい、飲んだあとの麦と米麹の芳醇さ。
松永安左エ門翁は、戦後、電力事業再編をなし、「電力の鬼」と云われた壱岐出身の松永翁の名を冠した本格焼酎。むぎ焼酎「壱岐」の原酒をホワイト・オーク樽に貯蔵して熟成させたもの。樽っぽいピリッとしたウイスキー的な香りが立つ。
VERY OLDは、昭和53年に小説家の開高健が天の川酒造の社長へ送った3通の手紙に由来し、ラベルの題字は開高健の直筆のものだそう。
ふむふむ開高健ね〜と調べていると、釣り好きで本好きには無視できないイベントを発見しちゃいましたよ。
企画展「開高健 ロッド片手に世界を駆ける」
茅ヶ崎だなんて、釣りのついでにふらっと立ち寄れてしまうなぁ。
さて、お箸休めの梅紫蘇大根。
梅も紫蘇も優しい風味で、シャクシャクと軽快にいただけます。
クエの米麹焼き。
クエってやたらと高級なイメージがあって実際に高価だけど、成長が遅くて大型になるのに時間がかかるみたい。天然のクエはキロ単価1万円を超えることもあるとか。皆さんはキロ単価いくらですか?
1/3が米麹由来の壱岐の麦焼酎とクエの米麹焼き。一緒にいただくとイキます。
鮑。
炭火の網焼き、しゃぶしゃぶでいただきます。
少し炙ると端が縮んで立ち上がります。生の鮑はコリッとした歯応えと磯の香りがあるけど、少し熱すると柔らかくなるんだって。アンチョビとバターのソースがまた絶品。しゃぶしゃぶの方は甘いお醤油ベースのタレでいただきました。
鮑がありがたい食べものだなんて久々に思いました。
壱岐牛のすき焼き。
壱岐の牛は赤ちゃんの頃に色んな所へ引っ越しさせられて、各地で育って大人になると松坂牛やらなんとか牛やらになるみたい。
薄味の上品な割り下に壱岐牛の綺麗な脂が溶け込んで、お野菜やきのこにまでしっかり旨みが移っています。
うにの炊き込みご飯。
本当にどれもこれも美味しくて昇天しそうなんだけど、お腹もいっぱいすぎて割腹して出そうか否かというところ、おにぎりにしてお部屋に届けていただきました。
助かった。
ほんで実は誕生日でした。
この上なく贅沢なお祝いをしてくれてありがとうございます。
ご馳走さまでした。